Writhing Tongue (1980) : 震える舌

『震える舌』(ふるえるした)は、三木卓が1975年に発表した小説を原作とした1980年公開の日本映画である。

破傷風菌(テタノスパスミン)に侵された少女と、その両親を題材にした作品。三木が自分の娘が破傷風菌に感染した時のことを、モチーフとして描いている。映画は医療ドラマというよりも、オカルト・ホラー的趣向で製作された。破傷風に侵されてしまう少女・昌子を演じる若命真裕子(わかもり まゆこ)の迫真の演技が話題となった。

出演:十朱幸代、渡瀬恒彦、中野良子、若命真裕子

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Writhing Tongue (1980) / 震える舌のあらすじ

ある日、マンションの近くで泥んこ遊びをしていた女の子・三好昌子が、落ちていた小さな釘で手にケガをした。よくあるケガだと思い自宅で一般的な消毒などをしたが、数日後に歩き方がおかしいことに気づいた父の昭(渡瀬恒彦)と母の邦江(十朱幸代)が聞いてみると、昌子は「歩けるけど、歩きたくないの」と言い、話し方もどこかいつもと違う。昭と邦江は昌子を病院に連れていくが、「大したことはない」と診断され、取り合ってもらえない。やがて昌子は痙攣を起こし、自身の舌を噛み切って悶え始めた。大学病院での専門医による検査の結果、昌子は破傷風にかかっていることが判明し、隔離された病室に入院することになった。

数億年前から生き延びてきた破傷風菌は人間の中枢神経を毒素で侵し、潜伏期を経て発症した患者の生還率はきわめて低い難病をもたらす。昭は有史以前の微生物が昌子に及ぼす理不尽な災厄に慟哭し、邦江は自責の念に錯乱状態となっていく。ちょっとした光や入院患者たちの笑い声などでも痙攣などの発作が起こってしまうため、防音されて真っ暗な部屋で昌子を献身的に世話をする昭と邦江は看病疲れにより精神的に追い込まれるが、昌子は主治医・能勢(中野良子)らの必死の治療や昭と邦江の献身的な看護により助かる。

意識が戻った昌子に何が欲しいかと尋ねると「チョコパンが食べたい」と答え、身体は闘病で弱っているので能勢が消化の良い別のものを告げるもなお昌子は、「チョコパンだよー!」と叫ぶ。その声に、ようやく病室には笑い声が響くのだった。

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